
財産分与は夫婦が婚姻をした時から増えた財産を分けることです。
慰謝料は精神的ダメージを受けた場合に、相手に損害賠償をすることです。
離婚の原因によっては請求できない場合があります。
目次
離婚前に財産分与・慰謝料について勉強しよう
離婚が決まってから、財産分与や慰謝料について調べる人が多い傾向があります。
しかし、別居してからの離婚したり、夫が家計を仕切っていて預貯金や財産について把握できていない、相手が弁護士を雇っていると損をしてしまう可能性もあります。
よって、事前に財産分与の対象となる項目や条件と慰謝料が請求できるかを知っておく必要があるのです。
1.財産分与とは?
夫婦が離婚するときに「婚姻した時点から増えた財産を個人財産として分ける」ことを”財産分与”と言います。
専業主婦をしていた場合でも、財産の半分を受け取る権利があります。
財産分与の対象となるものは?
財産分与の対象となるものには、どんなものがあるのかご紹介していきます。
財産分与の対象になるもの!
- 不動産(建物・土地)
- 婚姻してから増えた預貯金
- 婚姻してから購入した家財・家電
- 婚姻してから購入した車両
- 婚姻してから購入した有価証券
- 婚姻してからできたローン・借金
財産分与の対象とならないものは?
基本的に婚姻前から所有していた財産は財産分与の対象外です。主に下記の6項目は財産分与の対象外となります。
財産分与の対象にならないもの!
- 婚姻前に持っていた預貯金
- 婚姻前に持っていた家具・家電
- 相続した遺産(相続時や維持に相手に頼った場合は、財産分与の対象となります。)
- 婚姻前に持っていた有価証券
- 自分専用として使用してきた
- 婚姻前から所有していた車両
- ギャンブルでできた借金
- 生活水準よりも高額な個人的な買い物(ブランド品・高額なエステなど)
財産の鑑定はどうするのか?
財産分与をする際には、不動産を分けるために現在の不動産価値を鑑定してもらう必要があります。
不動産の鑑定は不動産鑑定士に依頼することになりますが、鑑定料金が高額になってしまうので、最近では近くの不動産屋に見積りを依頼するケースが多く報告されています。
【関連記事】離婚時の財産分与と清算で対象になるものと範囲は?
財産分与の時効は?
財産分与の請求の時効は、離婚届けを出してから2年間となっています。
しかし、家庭裁判所へ調停を申立した場合は、その調停が確定するまでは財産分与の請求が可能です。
2.慰謝料とは
大抵の人は”慰謝料”という言葉を耳にしたことがあると思いますが、これは「精神的なダメージを受けた場合に請求できる損害賠償」です。
離婚したから慰謝料がもらえるのではなく、“離婚した原因を作った加害者がいるから、被害者が請求できる”ということになります。
よって、慰謝料が発生する条件は、「加害者と被害者がいる場合」なのです。
慰謝料が請求できるケース
相手が離婚の原因を相手が作った場合に慰謝料の請求ができます。
主に報告されている原因は下記の6項目です。
慰謝料請求できる原因!
- 相手が不貞をした(浮気)
- 相手に暴力を振るわれた(DV・モラハラ)
- 生活費を出してくれない(悪意の遺棄)
- 自分に非がないのに同居を拒否された
- 浮気相手と暮らして家に帰らない
- セックスレス
慰謝料が請求できないケース
主に自分に離婚の原因がある場合は慰謝料の請求ができません。
そして、相手から慰謝料を請求される可能性もあります。
慰謝料請求できないケース!
- 自分が不貞をした(浮気)
- 一方的に家を出て実家で生活している
- 姑との折り合いが悪く家に帰らない
- 浮気相手と暮らすために家を出た
慰謝料の相場は?
慰謝料を請求できる金額については、離婚の原因となったケースによって変わってきます。
最近の慰謝料のケース別の相場は下記の通りです。
ケース1:相手の不貞(浮気)が原因の離婚
相手の不貞によって離婚になった場合の慰謝料の相場は、200~300万円程度になります。
このケースの慰謝料の算出には、婚姻期間や不貞の前の夫婦関係などにより増額・減額をして決まるのです。
ケース2:セックスレスが原因の離婚
夫婦のどちらかが、一方的に性交渉を拒否した場合に精神的に自信をなくしたり、夫婦関係が破綻した場合の慰謝料の相場は100万円程度になります。
しかし、身体的に不可能(ED)で性交渉が出来ない場合は請求はできません。
ケース3:暴力(DV・モラハラ)が原因の離婚
暴力(DV・モラハラ)が原因の慰謝料の相場は、50~300万円。受けた回数・期間と怪我・後遺症の程度によって金額も変わってきます。
しかし、証拠となる写真・医師の診断書が無いと請求ができない可能性もあるので、証拠を残しておくことが重要です。
今回のまとめ
財産分与は、婚姻してから二人の間に増えた資産を半分に分ける事。
慰謝料は、精神的ダメージを受けた場合に、ダメージを与えた側に損害賠償を請求する事。

離婚を考えると同時に、財産分与の対象のリストを作成したり、慰謝料を請求するための証拠を集めることが重要です。
通帳や有価証券のコピー・自分が欲しい家具や家電のリスト化をしたり、不動産屋で不動産の見積りを取るなど離婚前に準備しておくことをお勧めします。
弁護士を雇う事で結果が有利になることがあります。