雨宮先生雨宮先生

親権者が死亡・行方不明になった場合、残った親が必ず親権者になれるとは限りません。
残った親が親権をとれない場合は、家庭裁判所が子どもにとって良いと判断した後見人を選任します。

1.親権者が死亡・行方不明になったら?

親権者が死亡・行方不明になったら

親権者が亡くなった場合に、自動的に親権者を残った親に変更することにはなりません。

よって、この場合は子どもの“後見人”を選任することになるのです。

雨宮先生雨宮先生

この後見人の選任は、家庭裁判所が事情を考慮して判断を下します。

残った親が家庭裁判所に”親権変更審判”の申し立てをして認められたときに、新たに親権者になれます。

親権者変更調停・審判とは

親権者変更調停・審判とは、現在の親権者が不適当であったり、事情があって養育することが出来なくなった・死亡した場合などに行う調停・審判です。

基本は調停を経てから審判という流れになりますが、親権者が亡くなった・行方不明の場合は急を要することのため、審判からの申し立てができます。

親権者変更審判の申し立ての手続き

親権者変更審判の申し立て先は、未成年者の住所地の家庭裁判所です。
【関連ページ】裁判所の管轄区域

申し立てに必要な書類は、下記の通りです。

親権者変更審判の申し立てに必要な物

  • 親権者変更審判申立書1通またはコピーでも可(裁判所で入手するか、裁判所ホームページにてダウンロードができます)
  • 収入印紙1200円分
  • 郵便切手800円程度(裁判所により違います)
  • 申立人の戸籍謄本(全部事項証明書)
  • 親権者の戸籍謄本(全部時効証明書・親権者が死亡の場合、死亡の記載があるもの)
  • 未成年者の戸籍謄本(全部事項証明書)

※同じ書類は1通で足ります。
※※審理のために必要な場合は、追加で書類の提出を求められることがあります。


【関連ページ】親権者変更の申立書(親権者行方不明(死亡)等の場合)

残った親は必ず親権者・後見人になれる?

残った親は親権・後見人になれるか
親権者・後見人は、子どもにとって良い環境を与える義務があります。
よって、残った親が子どもに対して悪影響を及ぼす可能性がある場合、親権を持てません。

親権者・後見人になれないケースは?

子どもの親権者・後見人になれないケースは、下記の項目にあてはまる場合です。

子どもの親権者・後見人になれないケース

  • 子どもと同居していたときに、育児放棄していた
  • 子どもと同居していたときに、飲酒癖が悪かった(飲むと怒鳴る・暴力をふるう)
  • 離婚の原因がDV・モラスハラスメントをしていた
  • ギャンブルでできた多額の借金がある
  • 子どもが、親権者の家族(祖父母)と同居していてそのまま一緒に居たいと主張している(親権者を変更しての同居が、子どもの意思に反している)
  • 家庭裁判所で親権者・監護者・未成年後見人・成年後見人・保佐人・補助人を解任されたことがある
  • 未成年者(本人)を相手に訴訟をしている・したことがある者やその配偶者・直系血族
  • 未成年者
  • 破産者
雨宮先生雨宮先生

上記のような、子どもに悪影響・養育が困難と判断された場合は、親権者になれない可能性があります。
残った親が親権者になれない場合は、”未成年者後見人選任“を行います。

2.未成年後見人選任調停とは?

未成年後見人選任調停とは、親権者が亡くなった・行方不明で残った親も親権者になれない場合、子どもの後見人を選ぶ調停です。

この調停は、家庭裁判所が選任をします。

未成年後見人選任調停の手続き

この調停の申し立て先は、未成年者の住所地にある家庭裁判所です。

収入印紙800円分(未成年者1人につき)
連絡用の郵便切手(申立てされる家庭裁判所へ確認してください。なお,各裁判所のウェブサイトの「裁判手続を利用する方へ」中に掲載されている場合もあります。)
5. 申立てに必要な書類

  • 未成年者の戸籍謄本(全部事項証明書)
  • 未成年者の住民票又は戸籍附票
  • 未成年後見人候補者の戸籍謄本(全部事項証明書)(*)
  • 未成年者に対して親権を行うものがないこと等を証する書面(親権者の死亡の記載された戸籍(除籍,改製原戸籍)の謄本(全部事項証明書)や行方不明の事実を証する書類等)
  • 未成年者の財産に関する資料(不動産登記事項証明書(未登記の場合は固定資産評価証明書),預貯金及び有価証券の残高が分かる書類(通帳写し,残高証明書等)等)
  • 利害関係人からの申立ての場合,利害関係を証する資料
  • 親族からの申立ての場合,戸籍謄本(全部事項証明書)等
  • (*後見人候補者が法人の場合は,当該法人の商業登記簿謄本

※ 同じ書類は1通で足ります。
※ もし,申立前に入手が不可能な戸籍等がある場合は,その戸籍等は,申立後に追加提出することでも差し支えありません。
※ 申立時に,申立書のほか,各家庭裁判所が定める書式(財産目録,収支予定表,事情説明書,親族関係図等)に記入していただくこともあります。この書式は,各裁判所のウェブサイトの「裁判手続を利用する方へ」中に掲載されている場合もあります。
※ 審理のために必要な場合は,追加書類の提出をお願いすることがあります。

【出典】裁判所HP「未成年後見人選任」

雨宮先生雨宮先生

この調停は両親が親権を持てない状況になった場合に、親族(祖父母・叔父・叔母)から申し立てられるケースがあります。


今回のまとめ

親権者が死亡・行方不明になった場合、残った親が親権者になれるとは限りません。
残った親が親権をとりたい場合は、親権者変更審判の申し立てが必要です。

親権者が不在な場合は、家庭裁判所の権限で未成年後見人選任を行います。
後見人になりたい場合は、未成年後見人選任を申し立てましょう。

雨宮先生雨宮先生

子供の事を考えて、この手続きは急ぎましょう。
親権者が死亡した場合は財産相続問題も絡むため、必要に応じて弁護士にご相談される方が良いでしょう。