雨宮先生雨宮先生

“親権者”は子どもの代理人として法律行為に関する代理権を持ち、“監護者”は子どもと暮らして身の回りの世話をする権利があります。

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1.親権者と監護者の違いとは?

親権と監護権の違い

一般的には、親権・監護権の両方を一方の親が持つことが多くなっています。

しかし、親権・監護権を両親が分けて持つ場合には、それぞれの権利を分担します。

親権者とは?

親権者とは、子どもが成人になるまで監護・教育をし、法律行為の代理人として財産を管理し、財産上の権利・義務を持ちます。

しかし、監護者が別にいる場合は監護権はありません。

法律行為の代理人ってどんなことをするの?

法律行為の代理人としてすることは、下記のようなケースです。

親権者が法律行為の代理人として行う事

  • レンタルビデオ店の会員になるとき(12歳以下が親の同意書が必要)
  • 子どもが進学・入塾するとき(親の同意が必要)
  • 商品を通販で購入する、書店で定期購読を申し込むとき(親の同意が必要)
  • 子どもがアルバイトをするとき(未成年はアルバイト先に親の同意書の提出が必要)

子どもの財産管理とは?

子どもが自分名義の財産を持っているとき、その管理をする権利があります。

例えば、子ども名義の預貯金が200万円あるケースです。
子どもの好きにさせておいては、無駄使いですぐに無くなってしまうため、親が必要だと判断したときに子どもに必要額を渡して口座の管理をします。

監護者とは?

監護者とは、親権の1部である“身上監護権”を持ちます。
身上監護権は、子供と一緒に暮らして、しつけ・教育・身の回りの世話などをする義務と権利があります。

雨宮先生雨宮先生

つまり、親権があっても監護権が無ければ、子供と一緒に暮らせません。

以前、監護権を知らない親が「親権さえあればいい」と言って離婚し親権を獲得したものの、監護権は片方の親に取られて子供と暮らせなくなったケースがあります。

親権者と監護者の違い

  • 親権者・・子どもが成人になるまで監護・教育をし、法律行為の代理人として財産を管理し、財産上の権利・義務を持つ
  • 監護者・・子供と一緒に暮らして、しつけ・教育・身の回りの世話などをする義務と権利を持つ

2.親権・監護権はどうやって決める?

親権監護権どうやって決める

離婚の話し合いと共に、当事者間で子どもの親権・監護権について話し合いで決めます。

しかし、話し合いで解決しない場合には、家庭裁判所に“離婚調停”を申し立てて解決することになります。

専業主婦でも、親権・監護権をとれる?

専業主婦であっても、親権・監護権をとることができます。

なぜなら、親権・監護権を決める条件は、収入の有無よりも「どちらと暮らすことが、子どもが幸せになるか?」を1番に考えるものだからです。

もし、収入だけを条件に決めてしまうと「お金はあって生活に困らないけど、父親は仕事が忙しくて寂しい」「必要なしつけをしてもらえず、社会人になったときに困った」などという可能性があるのです。

雨宮先生雨宮先生

離婚時に別居していた場合は、その時に子どもと暮らしている側の方が親権・監護権をとりやすくなります。
別居するときには、子どもを置いて出ると親権を取る際に不利なので注意しましょう。

親権と監護権を分ける場合の注意点

子どもと一緒に暮らしている側に親権がない場合((監護権だけを持っている場合)は、親の同意が必要な書類はそのたびに親権者に書類を送付して記入・押印してもらう必要があります。

手間や時間がかかるだけでなく、親同士の仲が良くない場合に書類の遣り取りもスムーズにいかないケースの報告がされています。

離婚時に感情的になり、父親が「親権だけは渡さない!」と決めたことなら、期間をあけて冷静に話し合い親権を移すことをお勧めします。

話し合いで解決しない場合には、家庭裁判所に離婚調停を申し立てる

親権監護権の離婚調停

離婚することは合意できても、話し合いで親権・監護権・財産分与などの問題が解決できない場合は、”離婚調停”の申し立てをします。

離婚調停とは?

離婚調停は、家庭裁判所で裁判官・調停委員を交えて問題の解決に向けた話し合いや助言をもらう調停です。

この調停のメリットは、法律にも詳しい冷静な裁判官がアドバイスをしてくれるため、当事者間での感情的な話し合いよりのスムーズに解決できることです。

離婚調停(夫婦関係調整調停)申し立ての手続き

この調停では、財産分与調停も一緒に進めてくれますので申し立てを一緒にしておくことを、お勧めします。

申し立てに必要なものは、下記の通りです。

離婚調停(夫婦関係調整調停)に必要な物

  • 夫婦関係調停申立書又は写し1通(家庭裁判所で入手するか、裁判所ホームページからダウンロードができます)
  • 収入印紙1200円分
  • 郵便切手800円分(裁判所によって金額が変わります)
  • 戸籍謄本(全部事項証明書)
  • 資産・財産に関する書類(残高がわかる通帳のコピー・不動産登記事項証明書・固定資産評価証明書など)
  • 陳述書(夫婦・子どものプロフィール・婚姻時から離婚までの経緯・養育費・親権についての希望を書きます)

※離婚調停をスムーズに進めるために、事前に”陳述書”を裁判官に読んでもらうことで時間の短縮ができます。

【関連ページ】裁判所「夫婦関係調整調停」

陳述書に書く内容について

陳述書の提出は任意ですが、調停をスムーズに進めるために作成して提出しましょう。なぜなら、調停の所要時間は1回に2時間程度だからです。

陳述書を提出すると、調停前に裁判官が読んでくれるため、調停中に口頭で説明する時間を短縮できるからです。

陳述書に書く内容は、下記の項目です。

陳述書に書く内容

  • 夫婦の氏名・年齢・職業
  • 子どもの名前・年齢・性別・現在一緒に暮らしている親
  • 婚姻してから離婚までの簡単な説明(19XX年に結婚・2010年X月に長女が誕生・2013年に別居など)
  • 離婚の原因(夫のDV・浮気・性格の不一致など)
  • 子どもの親権について(自分が親権を望むかどうか)
  • 養育費・慰謝料の支払い方法・金額について(自分の希望・その金額が必要だと思う理由)

※陳述書は長ければ良いものではなく、事実と希望することを書いてください。
(長文になって愚痴・夫の悪口ばかりを書いてしまうと、裁判官があなたに良い印象が残りません)

今回のまとめ

“親権者”は子どもの代理人として法律行為に関する代理権を持ち、“監護者”は子どもと暮らして身の回りの世話をする権利があります。

離婚を決めたときに、夫婦で親権・監護権について話し合いをします。

当事者間での解決が難しい場合は、家庭裁判所に離婚調停を申し立てて、親権・監護権の話し合いを進めます。

雨宮先生雨宮先生

離婚の際、親権と監護権については必ず大きな問題になります。お互いが子供と暮らしたい気持ちが大きいからです。

ですが、子供の気持ちと将来を1番に考えて、親権と監護権を決めるべきです。

財産分与や慰謝料が絡むケースでは、弁護士に相談して進める方が良いでしょう。