雨宮先生雨宮先生

離婚をしても、夫には子供に対して養育の義務があるため、養育費を請求できます。
財産分与・慰謝料には請求の時効がありますが、養育費にはないため離婚して2年以上が経過していても請求が可能です。

1.子供が何歳になるまで、養育費の請求が可能?

子供が何歳まで養育費請求が可能か

養育費の支払い期間は、請求したときから子どもが20歳になるまでとされています。
よって、子供が20歳未満の場合は養育費の請求が可能です。

しかし、養育費には”消滅時効“があるため注意が必要です。

消滅時効とは?

消滅時効では、養育費は過去5年以内の分までしか請求ができないと法律で定められています。

よって、6年間養育費の支払いがされていなかった場合、5年以上前の1年間の分は請求ができません。

養育費の消滅時効の例

養育費の取り決めを行ったが、2010年1月分から2016年2月分まで滞納している。(2016年2月時点)


雨宮先生雨宮先生

この場合は、下記の表のように5年以上経過した分の14ヵ月分は請求できません。

滞納期間 養育費の請求可能期間 消滅時効対象期間
2010年1月~2016年2月
(74ヵ月分)
2011年3月~2016年2月
(60ヵ月分)
 2010年1月~2011年2月
(14ヵ月分)

2.養育費を請求しない約束をした場合でも後から請求できる?

後から養育費請求できるか

離婚時に扶養側が、養育費は必要ないと判断して請求しない取り決めをした場合でも、事情が変わったときに請求することができます。

例えば以下のような事情の場合、養育費の請求ができます。

後から養育費請求ができるケース

  • 子どもが怪我・病気になって治療・入院費が必要になった
  • 子どもが進学・入学する際に学費・必要費用が高くなった
  • 子どもが私立に進学して学費が高くなったとき
  • 養育している親が、病気・怪我などで収入が減った(無くなった)
  • 養育している親が、失業・転職で収入が減った(無くなった)

3.夫に直接養育費の相談をする

元夫に養育費請求相談をする

後から追加で養育費が必要になったとき、まずは元夫に相談しましょう。双方が合意できる金額を話し合いの場を持ちます。

もし、夫が養育費の支払いを拒否や無視したときは、第三者(友人・親戚・弁護士)に間に入ってもらい話し合いをしてください。

第三者を入れた話し合いをする

当事者だけでの話し合いは、お互いの言い分だけを伝えるだけで、妥協点を見つけることができないケースが報告されています。

冷静に判断できる第三者を入れた話し合いの方が解決がスムーズになります。

話し合いの前に、以下の事を決めておくことをお勧めします。

話し合う内容

  • 希望する養育費の金額
  • 妥協できる養育費の金額
  • 最低限必要な養育費の金額
  • いつまでに、まとまった金額が必要か(入学金・学費の振込み日など)
  • 子どもにかかる毎月の費用の明細の作成(衣食住・学費・医療費など)

※子どもにかかる毎月の金額が分かりやすく説明するために作成しておきましょう。

この話し合いでも解決しない場合は、家庭裁判所に“養育費請求調停”の申し立てを行います。

4.養育費請求調停とは?

養育費請求調停とは、当事者間での話し合いで解決しないときに、家庭裁判所で裁判官と調停委員が間に入り妥協点やアドバイスをしてくれて解決をはかる調停です。

この調停のメリットは、冷静で知識の豊富な裁判官が解決のために助言して話し合いをスムーズに進めてくれることです。

そして、この申し立てが不成立になった場合、自動的に審判手続きがされて裁判官が、全ての事情を考慮して審判をすることになります。

養育費請求調停の申し立て手続き

調停の申し立て手続きに必要なものは、下記の通りです。

養育費請求調停の申し立てに必要な物

  • 収入印紙1,200円分(子ども1人×1,200円必要)
  • 郵便切手800円程度(裁判所により変わります)
  • 申立書及び写し1通
  • 未成年者の戸籍謄本(全部事項証明書)
  • 申立人の収入に関する資料(源泉徴収票・給料明細・確定申告書・非課税証明書など※コピーで可)

※審理のために必要な場合には、追加で書類の提出を求められることもあります。

【関連ページ】養育費請求調停

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可能であれば、夫の収入が分かる書類の提出をしましょう。
収入の金額が分かれば、子どもは夫と同じ水準の生活を送る権利があるため、養育費の算出表を元にした金額を請求できます。

養育費の金額はどう決める?

一般的に養育費の金額を決めるためには、東京・大阪の裁判官が共同で研究し作成された“養育費算定表”が使用されます。

この算出表は子どもの人数・年齢・夫婦の収入によって使用される表が変わります。

【関連ページ】養育費・婚姻費用算定表


今回のまとめ

離婚時に養育費の取り決めをしなかった場合でも、後からでも請求が可能です。

当事者間で解決しない場合は、第三者を入れた話し合いをしてください。
それでも、解決しない場合に家庭裁判所に養育費請求の調停を申し立てましょう。

雨宮先生雨宮先生

まずは相手に事情を話すことです。相手が拒否する場合は調停になりますが、「調停まではしたくない」という場合に生活保護を検討する方がいます。

ですが、養育費支払い義務者の収入が高い場合、生活保護を受給できない可能性もあります。