
両親の間で面会について、条件や回数などを改善するための話し合いをします。
当事者間の話し合いで解決が難しい場合は、家庭裁判所に面会交流調停を申し立てるか、家庭問題情報センターに相談をします。
目次
1.子どもと暮らしている親に面会させない理由を聞く
子どもと暮らしている親に、「子どもと会わせたくない理由があるの?」と聞いていみます。
穏やかに聞くことで、何らかの理由がある場合は話してくれる可能性があります。

「お前が会わせないんだろう!」と頭ごなしに怒りをぶつけても、事態を改善できないので注意しましょう。
条件をつければ面会が可能なのか交渉をする
条件をつけることで、面会しやすくなるのか交渉してみます。
なぜなら、子ども本人・一緒に暮らしている親側に面会が難しくなっている何らかの理由がある場合は、条件をつけたり譲歩することで面会しやすくなることがあるからです。
交渉の例1
子ども本人が「友達と遊びたいから、パパと会うの面倒くさい。」といった理由であれば、月1~2回の面会を諦めます。
そのかわり、子どもが長期の休みのときに泊まりで面会するなど、臨機応変に対処することも可能です。
交渉の例2
離婚理由が夫の飲酒癖だったため、「子どもと一緒にいるときも、飲むんじゃないか不安。」という理由であれば、面会時間・面会場所を決めてもらいます。
例えば、子どもの自宅から近い公園で2~3時間程度と条件でなら、面会を許可するケースもあります。

もしどんな条件を出しても面会を拒絶される場合は、家庭裁判所に“面会交流調停”の申し立てを行いましょう。
2.面会交流調停とは?
面会交流調停とは、両親の間で面会についての問題が解決しない場合に申し立てる調停です。
この調停では、裁判官・調停委員が当事者の間に入り子どもに負担がかからないように配慮して、解決に向けた条件や助言をしてくれます。
調停が不成立になった場合には自動的に審判手続きが開始されて、裁判官が一切の事情を考慮して審判をします。

面会交流調停は、離婚前に別居している場合でも申し立てができます。
面会交流調停の手続き
面会交流調停の申し立て先は、親権を持たない親の住所地にある家庭裁判所か当事者が合意した家庭裁判所です。
【関連ページ】裁判所の管轄区域
申し立てに必要な書類は、下記のとおりです。
面会交流調停申し立てに必要な物
- 面会交流調停申立書1通またはコピーで可(裁判所か裁判所ホームページからダウンロードできます)
- 収入印紙1200円分(子ども1人に1200円かかります)
- 郵便切手800円程度(裁判所により違います)
- 未成年者の戸籍謄本(全部事項証明書)
※審理に必要と判断された場合は、追加で資料提出を求められる可能性もあります。
【関連ページ】裁判所「面会交流調停」
3.面会交流調停で面会可能になったのに、子どもに会えない場合は?
面会交流調停・審判によって面会が可能になったのに、子どもに会えない場合は”家庭問題情報センター(FPIC)“に相談をします。
家庭問題情報センターとは?
家庭問題情報センターとは、子どものために両親とも交流を断つべきではないと考えていて、父母と子どもの面会の手助けを有料でしている施設です。
このセンターが面会交流の援助していることと料金は、下記の通りです。
家庭問題情報センターの援助内容と料金
- 事前相談 父母それぞれ 5,000円
- 申込金(1年間) 10,000円
- 面会の付き添い(月1回まで)15,000~25,000円(3時間以内・子どもの人数により金額が変更します)
- 面会の子どもの受け渡し(月1回まで) 10,000~15,000円(面会場所現地での受け渡し・4時間まで10,000円 7時間まで15,000円)
- 面会交流に関する連絡調整(1回につき)3,000円(父母の間で直接連絡できないときに、面会時間・場所の連絡を仲介します)
※この援助を利用するには、父母間の合意文書・公正証書か、面会交流調停の調停調書・和解書・審判書・判決書が必要です。
【関連ページ】家庭問題情報センター公式ホームページ
家庭問題情報センターを利用するメリットとデメリット
家庭問題情報センターの面会交流援助を使用する場合、メリット・デメリットがあります。
利用するメリット
- 子どもを夫と2人だけにさせずにすむ(付き添い者がいるため、子どもの安全が保証される)
- 父母間の連絡が直接しなくてすむ(電話で暴言をはかれる心配がない)
- 子どもの引渡し時に直接会わずにすむ(子どもに両親の不仲を見せなくてすむ)
- 子どもをそのまま連れさらわれなくてすむ(以前、子どもを連れ出して1週間返してくれなかった)
利用するデメリット
- 子どもと一緒にくらしている親は面会に同席できない(子どもが小さい場合、泣いたりぐずったりしてしまう可能性があります)
- 月に1回の援助しか利用できない
- 援助の利用に料金がかかる

この援助を利用するためには、お金がかかってしまいますが、子どもの安全のためにかかる費用です。
子どもと面会したいけど、一緒に暮らしている親が不安を持っている場合には、利用をお勧めします。
今回のまとめ
離婚後に子どもと面会させてくれない場合には、その理由について聞いてみます。条件をつけての面会なら許可できるのか、交渉してみましょう。
当事者間での解決が難しい場合は家庭裁判所に面会交流調停の申し立てをします。
それでも、面会が難しい場合は家庭問題情報センター(FPIC)の利用を考慮してください。

「子供に合わせてくれない・合わせて欲しい」にはそれぞれの言い分や理由があります。
自分が行っている行動や態度も見つめ直す事も必要です。